「どの連盟に加盟すればいいのか、比較記事を読んでも結局わからない」
そう感じているなら、原因は情報の少なさではありません。各社が公表している数字が、そもそも同じ基準で測られていないからです。
結論から言います。主要5連盟の加盟金は60万円から700万円まで、実に11倍以上の開きがあります。ただしこの差は「サポートの手厚さ」ではなく、会員ネットワークをどう作っているかの違いから生まれています。
この記事では、まとめ記事を一切参照せず、各連盟の公式サイトに書かれている数字だけを集めて比較しました。あわせて、多くの比較記事が見落としている「会員数を横並びで比べてはいけない理由」と、すでに終了している連盟が今も比較表に載り続けている問題も取り上げます。
- 主要5連盟の加盟金・月会費・会員数(公式サイトの数字のみ)
- 会員数の単純比較が成立しない構造的な理由
- すでにサービスを終了している連盟
- 会員数重視・初期費用重視、それぞれの選び方
結婚相談所の「連盟」とは?加盟前に押さえる3つの役割
連盟とは、ひとことで言えば加盟した相談所どうしで会員データベースを共有するネットワークです。自分の相談所の会員が少なくても、連盟全体の会員とお見合いを組めるようになります。
連盟が担っている役割は、大きく3つに分けられます。
- 会員データベースの提供 — 他の加盟相談所の会員とお見合いを組める。連盟に加盟する最大の理由がこれ
- 業務システムの提供 — 会員管理、お見合い申込、成婚報告などを扱うシステム。月会費の実体はほぼこのシステム利用料
- 研修・サポート — 開業前の研修、契約書のひな形、運営相談。未経験開業を前提にしている連盟が多い
連盟に加盟せず単独で開業することも法律上は可能です。ただしその場合、紹介できるお相手が自分の集めた会員だけになります。開業初期に会員がゼロの状態から始めることを考えると、現実的な選択肢にはなりにくいのが実情です。
逆に言えば、連盟選びで最も重要なのは「紹介できるお相手が何人いるか」ということになります。ところが、この会員数こそが最も比較しにくい項目です。理由は後述します。
主要5連盟の比較【公式データのみ】
以下はすべて各連盟の公式サイトに記載されている数値です(2026年9月3日確認)。まとめ記事や他社が作成した比較表の数字は使っていません。
加盟金・月会費の比較
初期費用でいちばん大きいのが加盟金です。最も安いNNRの60万円と、最も高いIBJ法人エンタープライズプランの700万円では11倍以上の差があります。
| 連盟 | 加盟金 | 月会費 | 研修費 | ロイヤリティ |
|---|---|---|---|---|
| NNR(日本仲人連盟) | 60万円(税抜) | 8,000円(税抜)+登録料880円 ※会員1名の入会につき | 無料 | なし |
| BIU(日本ブライダル連盟) | 80万円 | 15,000円+会員アプリ利用料1,100円〜 ※会員1名につき | 記載なし | 記載なし |
| TMS(全国結婚相談事業者連盟) | 85万円(税別) | 12,000円(税別) | 0円 | 0円 |
| JBA(日本結婚相談協会) | 110万円 ※初回開業時 | システム利用料 16,500円〜(税込) | 0円 | 0円 ※会員300名まで |
| IBJ(日本結婚相談所連盟) | 個人200万円/法人400万円/法人EP700万円(税抜) | 15,000円+3,800円×カウンセラー人数 | 0円 | 0円 |
※税抜・税込の表記は各社の公式サイトの記載どおりです。統一されていないため、実際の負担額を比べるときは必ず自分で揃えてください。
出典:NNR公式/BIU公式/TMS公式/JBA公式/IBJ公式
見落とされやすいのが会員1名あたりの従量課金です。NNRは入会1名につき880円の登録料、BIUは会員1名につき月1,100円〜のアプリ利用料がかかります。会員が増えるほどランニングコストも上がる設計なので、月会費の金額だけで比べると実態を見誤ります。
IBJの月会費もカウンセラー1名あたり3,800円が加算される方式です。1人で運営する場合は15,000円+3,800円=18,800円になります。
会員数・加盟相談所数の比較
紹介できるお相手の数は、加盟先を決めるうえで最重要の項目です。ただし各社の「会員数」は数え方が違います。まずは公式の表記をそのまま並べます。
| 連盟 | 会員数(公式表記) | 加盟相談所数 | 時点 |
|---|---|---|---|
| IBJ | 110,885名 | 4,844社 | 2026年8月 |
| JBA | 10万人以上 ※提携含む | 約1,700社以上 ※提携含む | 記載なし |
| NNR | 75,000名以上 ※スクラム・コネクトシップ利用時 | 記載なし | 記載なし |
| TMS | SCRUM登録 68,406名/CONNECT-ship有効 14,797名 | 1,422店 | 2026年7月 |
| BIU | 約66,000名 | 1,655室 ※提携グループ含む | 記載なし |
この表を見て「IBJが一番多い」と結論づけるのは、まだ早いです。数え方が揃っていないからです。
【重要】会員数を横並びで比較してはいけない理由
各社の会員数がバラバラな基準で公表されている背景には、「コネクトシップ」という連盟をまたぐ会員相互紹介プラットフォームの存在があります。
コネクトシップは、婚活事業者どうしが会員を相互に紹介し合う仕組みです。参加している事業者の会員は、所属する連盟が違っても互いにお見合いを組めます。
コネクトシップの利用事業者一覧を確認すると、主要5連盟の立ち位置がはっきり分かれます(2026年9月時点)。
| 連盟 | コネクトシップ 利用事業者一覧への記載 | 会員ネットワークの性格 |
|---|---|---|
| TMS | 記載あり | 他社の会員とも会える |
| JBA | 記載あり | 他社の会員とも会える |
| NNR | 記載あり | 他社の会員とも会える |
| IBJ | 記載なし | 自社ネットワークで完結 |
| BIU | 記載なし | 自社ネットワークで完結 |
つまり、こういうことです。
- NNRの「75,000名以上」やJBAの「10万人以上」は、他社の会員を含んだ数字。公式サイトにも「スクラム・コネクトシップ利用により」「提携含む」と明記されている
- IBJの110,885名は、自社ネットワーク単独の数字。他社と繋がっていない代わりに、この数を自前で抱えている
- TMSはSCRUM 68,406名とCONNECT-ship 14,797名を分けて表示している。誠実な出し方だが、他社と単純に足し引きはできない
ここから導かれる実務的な結論は2つです。
第一に、「会員◯万人」という数字だけで連盟を順位づけしている比較は、根拠として弱いということ。
何を数えた数字なのかが揃っていません。
第二に、コネクトシップ参加型の連盟どうしは、会員ネットワークの面で差がつきにくいということ。
TMS・JBA・NNRは同じプールを共有しているため、この3社を会員数で選ぶ意味は小さく、加盟金・月会費・サポート内容で選ぶほうが合理的です。
逆に、IBJとBIUは自前のネットワークで戦っています。IBJの加盟金が5社中で最も高い理由も、110,885名という自社ネットワークの規模とセットで考えると理解しやすくなります。
連盟を決めたあとに待っているのは日々の運営です。どこで経営が難しくなるのかは結婚相談所の経営が難しい理由と安定経営への対策まとめで先に把握しておくと、連盟選びの判断基準も定まります。
連盟ごとの特徴と向き・不向き
公式データをもとに、5連盟それぞれの性格を整理します。どれが優れているという話ではなく、何を優先するかで答えが変わります。
IBJ(日本結婚相談所連盟)|会員数を最優先するなら
会員110,885名・加盟相談所4,844社(2026年8月)と、単独ネットワークとしては最大規模。その代わり加盟金は5社中で最も高くなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟金 | 個人200万円/法人400万円/法人エンタープライズ700万円(税抜) |
| 月会費 | 15,000円+3,800円×カウンセラー人数 |
| 研修費・保証金・ロイヤリティ | すべて0円(立上支援研修6ヶ月は加盟金に含まれる) |
| 分割払い | 3〜84回。頭金11万円〜 |
| 向いている人 | 初期投資を回収できる見込みがあり、紹介できるお相手の数を最優先する人 |
東証プライム上場企業(証券コード6071)が運営しており、加盟店に関する数字を決算資料で四半期ごとに公開している点も、他の連盟にはない特徴です。IBJで開業する場合の注意点はIBJ開業の失敗要因を公開データで検証した記事で詳しく扱っています。
NNR(日本仲人連盟)|初期費用を最優先するなら
加盟金60万円(税抜)、月会費8,000円(税抜)と、5社の中で最も低コスト。IBJの個人プランと比べると加盟金は3分の1以下です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟金 | 60万円(税抜)/660,000円 |
| 月会費 | 8,000円(税抜)/8,800円 +登録料880円(会員1名の入会につき) |
| 研修費 | 無料 |
| ロイヤリティ | なし |
| 会員数 | 75,000名以上(スクラム・コネクトシップ利用時) |
| 向いている人 | 副業や小規模から始めたい人。自己資金を広告費に回したい人 |
公式サイトによれば開業者の90%が未経験とのことです。会員ネットワークはコネクトシップ経由で確保する設計なので、初期費用を抑えつつ紹介先を確保したい場合の有力な選択肢になります。
TMS(全国結婚相談事業者連盟)|数字の出し方が最も丁寧
加盟金85万円(税別)、月額固定費12,000円(税別)。会員数をSCRUMとCONNECT-shipに分けて公開している点が、他社と比べて誠実です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟金 | 85万円(税別) |
| 月額固定費 | 12,000円(税別) |
| 研修費・保証金・ロイヤリティ | すべて0円 |
| 会員数 | SCRUM登録 68,406名/CONNECT-ship有効 14,797名 |
| 加盟店数 | 1,422店(2026年7月時点) |
| 向いている人 | 公表数値の根拠を重視する人。中規模のコストで始めたい人 |
後述のとおり、2024年に良縁ネットを統合しています。加盟金には開業前研修、開業後半年間のOJTサポートが含まれると公式サイトに記載があります。
BIU(日本ブライダル連盟)|会員1名あたりの課金に注意
加盟金80万円、月会費15,000円。ただし会員アプリ利用料が会員1名につき月1,100円〜かかるため、会員が増えるほど月額が上がります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟金 | 80万円 |
| 月会費 | 15,000円(会員システム登録料・口座振替システム利用料は0円) |
| 会員アプリ利用料 | 別途1,100円〜/月(会員1名につき) |
| 会員数 | 約66,000名 |
| 加盟相談室数 | 1,655室(提携グループ含む) |
| 向いている人 | 会員数が一定規模で安定する見込みがあり、従量課金の設計を許容できる人 |
公式サイトには、会員35名・東京都で開業した場合の月額ランニングコストの目安として「おおむね税込22,500円程度」という参考例が示されています。
JBA(日本結婚相談協会)|会員300名までの無料枠が広い
加盟金110万円(初回開業時)、システム利用料は月16,500円〜(税込)。会員300名までロイヤリティ・会員登録費・サーバー維持管理料が0円という設計が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟金 | 110万円(初回開業時) |
| システム利用料 | 16,500円〜/月(税込) |
| ロイヤリティ・研修サポート・会員登録費 | 0円(会員300名まで) |
| サーバー維持管理料 | 会員300名まで0円。301名以上は基本料+11,000円(以降100名ごとに1,100円加算) |
| ネットワーク規模 | 加盟相談所 約1,700社以上/総会員数10万人以上(いずれも提携含む) |
| 向いている人 | 会員数を大きく伸ばす計画がある人。300名までは従量課金がかからない |
公式サイトにはキャンペーン価格の記載もありますが、本記事執筆時点で確認できたのは2024年7〜9月分で期間が終了しているため通常価格を掲載しています。加盟を検討する際は最新のキャンペーン有無を直接確認してください。
連盟選びで失敗しないために
良縁ネットは2024年10月に終了している
良縁ネットは2024年10月31日をもって全サービスを終了し、TMS(全国結婚相談事業者連盟)と合併・統合されています。
良縁ネット連盟本部の公式サイトには、次の告知が掲載されています。
2024年10月31日をもちまして、良縁ネットの全サービスは終了いたしました。(中略)良縁ネットは、TMS(全国結婚相談事業者連盟)と合併をしサービスを統合したため、良縁ネットのサービスは終了させていただきます。
良縁ネット連盟本部 公式サイト(2026年9月確認)
にもかかわらず、ネット上の連盟比較記事の多くは、いまも良縁ネットを現役の連盟として一覧に並べています。加盟先を検討している人が古い記事を信じると、すでに存在しない連盟を候補に入れてしまうことになります。
これは良縁ネットに限った話ではありません。連盟の料金体系やサービス内容は改定されます。比較記事を読むときは、まず「その記事はいつの情報か」「公式サイトで確認できるか」を見てください。
各社が出す「他社比較表」を鵜呑みにしない
連盟の公式サイトには、自社と他社を比べた表が掲載されていることがあります。ただし、他社の数字が最新とは限りません。
実際に確認したところ、ある連盟の公式サイトに掲載されていた他社比較表の数値は、その他社の公式サイトに記載されている金額と一致しませんでした(月会費・加盟金の両方で差異あり)。古い料金のままか、算定の条件が違う可能性があります。
どの連盟が悪いという話ではなく、比較表は作った側の基準で作られているという当たり前の事実です。金額を確認するときは、必ずその連盟自身の公式サイトの料金ページにあたってください。この記事の表も、すべて各社公式ページへのリンクを付けているのはそのためです。
加盟前に本部へ確認すべきこと
結婚相談所のフランチャイズには、中小小売商業振興法にもとづく法定開示書面の交付義務がありません(同法の対象は小売業・飲食業のため)。つまり、情報開示は加盟する側から求める必要があります。
最低限、次は書面かメールで確認してください。
- 加盟金・月会費以外に発生する費用の全項目と金額(会員1名あたりの従量課金の有無)
- 契約期間、更新条件、中途解約時の違約金の有無と金額
- 解約した場合、会員データはどう扱われるか
- 公表している会員数に提携先の会員が含まれるか
- 直近1年の新規開業件数と、同じ期間の退会・閉鎖件数
- 自分の開業予定エリアにある既存加盟店の数
公正取引委員会のガイドラインが本部に開示を推奨している項目や、その根拠についてはIBJ開業の失敗要因を公開データで検証した記事で詳しく解説しています。IBJ以外の連盟を検討する場合にもそのまま使える内容です。
また、収益の見通しについては儲からないと言われる構造を検証した記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
- 結婚相談所の連盟で加盟金が一番安いのはどこですか?
-
この記事で比較した主要5連盟のうち、公式サイトの表記でもっとも安いのはNNR(日本仲人連盟)の60万円(税抜)です。次いでBIU 80万円、TMS 85万円(税別)、JBA 110万円、IBJ 個人契約プラン200万円(税抜)の順になります(2026年9月時点)。
- 会員数が多い連盟に加盟すれば有利ですか?
-
単純にそうとは言えません。TMS・JBA・NNRはコネクトシップという事業者間の相互紹介プラットフォームに参加しているため、公表されている会員数に他社の会員が含まれています。一方IBJとBIUはコネクトシップの利用事業者一覧に記載がなく、自社ネットワークで完結しています。数え方が違うため、横並びの比較は成立しません。
- 良縁ネットに加盟できますか?
-
できません。良縁ネットは2024年10月31日をもって全サービスを終了し、TMS(全国結婚相談事業者連盟)と合併・統合されました。公式サイトにもその旨が告知されています。
- 連盟に加盟せずに結婚相談所を開業できますか?
-
法律上は可能です。ただし紹介できるお相手が自分で集めた会員だけに限られるため、開業初期は成婚まで導くことが難しくなります。多くの相談所がいずれかの連盟に加盟しているのはこのためです。
- 複数の連盟に同時に加盟できますか?
-
連盟ごとに規約が異なるため一概には言えません。加盟を検討している連盟に、他連盟との重複加盟が可能かどうかを直接確認してください。契約書面に制限が定められている場合があります。
まとめ|連盟選びは「何を優先するか」で決まる
この記事でいちばん覚えて帰ってほしいのは、連盟の会員数は同じ基準で測られていないという一点です。数字の大小ではなく、その数字が何を数えたものかを確認する。ここさえ押さえておけば、比較記事に振り回されることはなくなります。
そのうえで、優先順位ごとの答えはこうなります。
| 優先すること | 有力な選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 紹介できるお相手の数 | IBJ | 自社ネットワーク単独で110,885名。他社の提携に依存しない |
| 初期費用を抑える | NNR | 加盟金60万円(税抜)・月会費8,000円(税抜)と5社中で最安 |
| 公表数値の透明性 | TMS | 会員数をSCRUMとコネクトシップに分けて公開している |
| 会員数を大きく伸ばす計画 | JBA | 会員300名まで従量課金がかからない |
今日できる最初の一歩は、気になった連盟の公式サイトの料金ページを2社ぶんだけ開いて、この記事の表と突き合わせてみることです。金額が変わっていれば、それはこの記事より公式サイトのほうが正しい。その確認作業そのものが、加盟後に本部と付き合っていくための練習にもなります。
連盟は一度決めると簡単には乗り換えられません。加盟金を払う前に、「その数字は何を数えたものですか」と本部に聞ける状態を作っておいてください。
本記事は各連盟の公式サイトに記載された情報にもとづき作成しています(2026年9月3日確認)。料金・会員数は改定されるため、加盟前には必ず各社公式サイトで最新の情報をご確認ください。
連盟ごとのコスト差が最終的な手取りにどう効いてくるかは開業後の年収をIBJ公開データから試算した記事の試算とあわせて確認してください。

