結婚相談所の料金設計ツール|中途解約の返金額と、広告費に出せる上限を計算

結婚相談所の料金設計には、他の商売にはない制約があります。契約期間が2か月を超え、支払総額が5万円を超える契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、中途解約されたときに事業者が受け取れる額に法律で上限がかかります。つまり、入会金や登録料をいくら高く設定しても、その全額が確定した売上になるわけではありません。

このツールは、自分の料金設定を入力すると、①その契約が特定継続的役務提供に当たるか、②解約されたときに法律上いくら返すことになるか、③その料金設定なら会員1人の獲得に広告費をいくらまで出せるかを一度に計算します。②と③は別の話に見えますが、返金義務がある以上、会員1人の価値は名目の料金より小さくなります。同じ画面で見ないと広告予算を過大に見積もります。

金額はすべて税抜で入力してください。初期値はIBJ本部がガイドラインとして示している価格例(2026年9月11日確認)です。

1会員に請求する料金
円
円
円
円
回
円
ヶ月
2解約されたときの前提
ヶ月
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3集客と会員1人あたりの採算
ヶ月
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円
円
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名
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このツールについて
法令の条文に入力値を当てはめて計算しているだけのツールです。法律相談ではありません。実際の精算額は契約書面の定め方(初期費用の費目と精算方法を書面に記載しているか)や、提供済み役務の対価をどう算定するかによって変わります。ここでは提供済みの対価を契約期間で均等に按分して計算しています。契約書面や約款を作るときは、必ず弁護士など専門家の確認を受けてください。
金額はすべて税抜・税引前です。消費税・所得税等は含みません。
根拠:特定商取引に関する法律施行令 別表第四(第七項「結婚を希望する者への異性の紹介」/令和8年6月1日施行時点)、消費者庁「特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供」、同Q&A(いずれも2026年9月11日確認)。会員活動費・データ登録費・価格例はIBJ「結婚相談所収益構造とモデルケース」。

なぜ料金設計と広告費を同じ画面で見るのか

結婚相談所の開業情報では、料金設定は「いくら取れるか」、集客は「いくら使うか」として別々に語られます。ですが実際には、この2つは同じ1本の計算でつながっています。会員1人から最終的に手元に残る額が決まらないと、その1人を獲得するのにいくら払ってよいかは決まらないからです。そして手元に残る額は、中途解約されたときの返金義務によって、名目の料金より小さくなります。

初期値(入会金3万円・活動サポート費7万円・月会費1万円・契約12ヶ月)で4ヶ月目に解約された場合、受け取っている14万円のうち約4万7,000円を返すことになります。前払いで10万円を受け取っていても、それは確定した売上ではありません。

法律が定めている上限

結婚相手紹介サービスは、契約期間が2か月を超え、かつ対価の総額が5万円を超える場合に、特定商取引法の特定継続的役務提供にあたります(法41条1項1号、施行令24条・別表第四)。該当すると、中途解約されたときに事業者が受け取れる額に次の上限がかかります(法49条2項、施行令30条・31条、別表第四の第七項)。

解約の時点事業者が受け取れる額の上限
役務の提供開始前3万円
役務の提供開始後提供済みの役務の対価に相当する額
+「2万円」か「契約残額の20%」の低いほう
施行令別表第四・第七項「結婚を希望する者への異性の紹介」。契約残額=対価の総額−提供済みの対価。

「入会金は返還しない」という特約は無効です。消費者庁のQ&Aは、上記のいずれにも含まれない返還しない旨の特約は無効になると明記しています。初期費用を請求できる場合でも、その費目と中途解約時の精算方法を契約書面に書いていなければ、あとから請求することはできません。

なお、エステティックや語学教室など他の役務では上限額が異なります。とくに結婚相手紹介サービスの開始後の損害額上限は「2万円」で、美容医療・語学教室・パソコン教室の「5万円」より低く設定されています。他業種の解説記事の数字をそのまま持ってこないでください。

要件を外す設計は、収益性を先に壊す

「期間2か月超」「総額5万円超」のどちらかを外せば規制はかかりません。ただし結婚相談所の活動は平均で1年半続くもので、総額5万円以下に収めるということは、月会費を数千円にするか、契約を2か月で切るということです。規制を避けるために事業を成立しなくするのは本末転倒なので、このツールは要件を満たす前提で使うのが現実的です。

広告費の上限の読み方

計算式はシンプルです。会員1人から得られる粗利(入会金+サポート費+月会費×活動期間+お見合い料+成婚料×成婚率−連盟に払う変動費)を、最後まで活動する会員と中途解約する会員で加重平均し、そこに「広告費に回してよい割合」を掛けています。

初期値の30%は、かけた広告費の約3.3倍が粗利として戻ってくる水準です。これより高く設定すれば会員は増えますが、手元に残る現金は薄くなります。開業直後で運転資金が薄いなら20%前後、資金に余裕があって規模を取りにいくなら40%前後、といった調整の仕方になります。

出てきた「問い合わせ1件あたりにかけられる費用」は、広告の管理画面の数字と直接比べられます。リスティング広告のCPA(1件の問い合わせ獲得単価)がこの金額を超えているなら、そのチャネルは自分の料金設定に対して割高です。広告を止める判断も、単価を上げる判断も、この1つの数字から始まります。

よくある質問

期間を決めない月額制の契約でも、特定継続的役務提供に当たりますか?

このツールでは、継続を見込む月数を「1契約の期間」に入れて計算してください。期間の定めがない契約の扱いは個別の契約内容によって判断が分かれるため、ここで断定はできません。実際の約款を作る段階で、弁護士など専門家に確認してください。少なくとも、期間を書かなければ規制を免れられる、という理解は危険です。

お見合い料や成婚料は「対価の総額」に含めますか?

このツールでは含めていません。お見合い料は都度発生し、成婚料は成婚退会時にしか発生しないため、契約時点で確定する対価として扱っていないからです。ただし契約書面での定め方によっては総額に含めて考えるべき場合もあります。5万円超の判定はこれらを除いても成立することがほとんどなので、該当・非該当の結論はまず変わりません。

提供済みの役務の対価は、どう計算するのが正しいですか?

このツールは契約期間で均等に按分しています。実務では、入会時の初期対応に手間が集中するという理由で別の按分方法を定める例もありますが、その場合は費目と精算方法を契約書面に明記しておく必要があります。書いていなければ請求できません。按分方法を変えると返金額も変わるので、ここは必ず専門家の確認を取ってください。

広告費の上限が思ったより大きく出ます。本当に使ってよいのですか?

この数字は会員1人が活動期間を終えるまでの累計から逆算したもので、広告費は先に出ていくのに、粗利は1年半かけて入ってきます。上限いっぱいまで使うと、計算上は黒字でも手元の現金は先に尽きます。使ってよい額ではなく、あくまで「これを超えたら確実に赤字になる線」として見てください。実際にいつ資金が底をつくかは、開業資金・収支シミュレーターで月ごとに確認できます。

入力した内容は送信されますか?

送信されません。計算はすべてお使いのブラウザの中だけで行われ、入力内容もその端末のブラウザ内にのみ保存されます。当サイトを含め、誰も入力内容を見ることはできません。保存を消したいときは「初期値に戻す」を押してください。

この結果をそのまま約款や契約書に使えますか?

使えません。このツールは条文に入力値を当てはめて計算しているだけで、法律相談ではありません。概要書面と契約書面には法律で定められた記載事項があり、書き方を誤ると書面不交付として行政処分の対象になります。約款・契約書面の作成は必ず弁護士など専門家に依頼してください。このツールは、依頼する前に自分の料金設定が抱えるリスクを金額で把握するために使ってください。

あわせて読みたい

出典:特定商取引に関する法律施行令(昭和五十一年政令第二百九十五号)別表第四/消費者庁「特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供」/同「特定継続的役務提供Q&A」/IBJ「IBJの結婚相談所収益構造とモデルケース」(いずれも2026年9月11日確認)

出した数字を、公式の条件と突き合わせる

このシミュレーションの前提には、IBJ公式サイトが公開している金額をそのまま使っています(2026年9月11日確認)。ここから先、自分の地域と集客力でどうなるかは公開情報だけでは埋まりません。無料の相談会で聞くべきことは3つです。

  • 最初の10名までの期間:加盟店が最初の10名を集めるまで平均どのくらいか。シミュレーターの「軌道に乗るまでの月数」を置き換える数字で、ここだけ公開情報がありません
  • 自分の地域の会員構成:近隣エリアの会員数と、他社からお見合いを申し込まれる見込み。お見合い料の前提が変わります
  • 分割払いの総支払額:加盟金200万円の分割は3〜84回。回数によって総額が変わり、月々の固定費に直結します

この3つが埋まれば、シミュレーターの出力は自分の事業計画になります。加盟金・月会費・本部ガイドラインの価格例は、いずれも公式サイトに掲載されています。